12月5日の講演会のQ&Aをアップしました

先日はピンクリボンふじさわ講演会~受けてみよう子宮がん検診2021~に大変たくさんの方々にご参加いただき、誠にありがとうございました。講演会中にいただいたご質問に関して下記にまとめましたので、ご参考になさってください。今後も皆さまのお役に立てるような情報を提供していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。


1) 乳がん経験者ですが、「乳がんなら子宮がん検診を」と進められました。その理由を詳しく教えてください。(質問コーナーで宮城先生が回答しました)

☞ご質問ありがとうございます。乳がんと同じく日本女性が罹患しやすいがんである子宮がんにも目を向けるようにとの言葉だと考えます。あるいは乳がんでよく用いられる内分泌治療薬(女性ホルモンの効果を抑える薬剤)でタモキシフェンという薬剤が子宮体癌の発生を少し増加させることが知られており、そのことを述べておられたのかもしれません。


2) HPVワクチンで4価と9価で副反応などの違いは何でしょうか。

☞ご質問ありがとうございます。ワクチンには一定の割合で副反応が生じる可能性があり、これは現在問題となっているコロナワクチンに関してもたくさん報道されているとおりです。HPVワクチンも他のワクチンと同様で副反応の可能性は存在します。4価ワクチンに比べ9価ワクチンの方が接種部位の局所反応(腫れ、痛みなど)は少し出やすいとされていますが、全身に対する重篤な副反応の頻度は同等と考えられております。


3)ワクチン接種後の副反応について、アナフィラキシー、ギランバレー、ADEMについてどうお考えですか?(質問コーナーで宮城先生が回答しました)

☞ご質問ありがとうございます。HPVワクチンに限らず今現在使用されている数多くのワクチンにも一定の割合で副反応の可能性が存在します。アナフィラキシー、ギランバレー、ADEM(=急性散在性脳脊髄炎)なども他のワクチンと同等の頻度であると考えます。


)10代の男性にワクチン接種をする意義は何でしょうか?(質問コーナーで宮城先生が回答しました)

☞ご質問ありがとうございます。男性にも接種することで集団免疫(=集団の多くの人がある微生物の免疫を得ると、集団全体にその感染が発生しにくくなること)を得ることが最大の目的と考えます。結果としてより子宮頸がんの予防効果が高まることが期待できます。また、男性でも喉の奥のがん(中咽頭がん)や陰茎がん・肛門がんなどはHPVウイルスが原因で発生すると言われており、その予防の効果もあります。


5)月経と性感染症の教育を男女ともに行う必要があると思いますが、いかがお考えでしょうか。必要とすればこれを広める運動をするにはどのような方法があるでしょうか。

☞ご質問ありがとうございます。仰る通り月経や性感染症などの教育は中高生などの若い方を対象に、さらには女性だけでなく男性に対してももっと広く正しく行われるべきであると考えます。現在ではこれらを主導して活動してくださる産婦人科のクリニックもあり、市民の一人一人がこれら教育の必要性に声を上げることが重要かと考えます。


6)子宮がん検診をもっと気軽に受けられるようにするにはどのような対策が必要でしょうか。

☞ご質問ありがとうございます。とても本質的なご質問で現在日本にとっての大きな課題の一つといえると思います。これは私見でありますが、病院、検診センター、クリニックなどに行って検診を受けることが現在日本の検診システムの大半ですが、近所のショッピングセンターや図書館、公園など日常我々が気軽にそして頻繁に通うところでうまく検診が行えれば、検診受診率ももっと上昇するのではと考えています。


7)高校2年の娘はインフルエンザ、新型コロナ、HPVいずれのワクチンを優先すべきでしょうか。

☞ご質問ありがとうございます。いずれも必要なワクチンですがどれを優先すべきかはその状況に依って異なると考えます。決められた接種間隔をもってすべてお受けいただくことをお奨めいたします。


8)新型コロナワクチン接種後、月経が止まっています。HPVワクチン接種の副反応についても知りたいです。(質問コーナーで宮城先生が回答しました)

☞ご質問ありがとうございます。新型コロナワクチンに限らずどのワクチン接種でもその接種ストレスやたまたまその時期に体調に変化をきたすと、月経が不順になることがあります。HPVワクチンの副反応としては、発熱、接種部位の疼痛・腫脹など軽微な反応はしばしば起こりますが、アナフィラキシー、ギランバレー症候群、ADEMなどの重篤な副反応は他のワクチンと同様に百万分の一以下と報告されております。


9)現在21才の娘ですが、今からでも接種した方が良いでしょうか。何才までワクチンを受ける利益があるのでしょうか。

☞ご質問ありがとうございます。「産婦人科ガイドライン-婦人科外来編2020」では、性交渉の経験の有無に関係なく26才まではHPVワクチン接種を推奨、またワクチン接種を希望する45歳までの女性に接種を許容しております。期待される効果は、性交渉の有無によって変わりますが、日本人でワクチンのターゲットとなる16型・18型の両方に感染している女性は極めてまれなので、何らかの恩恵を得られる可能性は高いです。


10)HPVは温泉などの浴場でも感染することがありますか?

☞ご質問ありがとうございます。通常温泉やプールなどでHPVウイルスに感染することはありません。


11)HPVワクチンの副反応ばかりがマスコミで取り沙汰され、ワクチン推進を声にし辛い状況です。行政が積極的に啓発すべきと思いますが、そのためには具体的に何をすべきでしょうか。(質問コーナーで宮城先生が回答しました)

☞ご質問ありがとうございます。2021年11月に厚生科学審議会で、HPVワクチンの積極的接種勧奨差し控えの終了、すなわち厚生労働省がHPVワクチン接種を今後は再び積極的に勧めてゆく方針であるとの決定がなされました。そのためまず早くこの決定が国民に周知され、近い将来にHPVワクチン接種率が他の先進国に追いつけることが望まれます。そのためには、例えば、針をさす行為、外傷、強い心的ストレスなどで、若年者で起きる可能性がある、様々な症状へのケアを適切に行うことが重要です。


12)17才の娘が注射嫌いでHPVワクチンを3回もするのは嫌だと訴えていますが、どうすれば良いでしょうか。(質問コーナーで宮城先生が回答しました)

☞ご質問ありがとうございます。17才になれば注射の辛さに比べて子宮がんになる辛さがどれほど大きいかは想像できると思いますので、ご家族でHPVワクチン接種の是非に関して一度よく話し合われることをお奨めいたします。

                                                                                ( 文責 NPO法人あいおぷらす 谷和行)

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